ド・ロ神父ゆかりの畑で茶摘み 長崎・外海 市民ら参加、歴史も学ぶ

ド・ロ神父ゆかりの畑で茶摘みを楽しむ参加者=長崎市西出津町

 明治期に来日し、長崎県長崎市外海地区で住民の生活向上に尽くしたフランス人宣教師、ド・ロ神父ゆかりの畑「大平開墾地」で22日、市民らが茶摘み体験を楽しんだ。
 畑は同市西出津町の山あいにあり、ド・ロ神父が1884年から17年かけて開墾。近年再整備が進められてきた。近くにはド・ロ神父が建てた「大平作業場跡」があり、畑などとともに国の重要文化的景観「長崎市外海の石積集落景観」の構成要素となっている。
 茶摘み体験は、ド・ロ神父の功績を知ってもらおうと、市と住民グループ「ド・ロさまの家」(川田正勝代表)が例年開催。参加した親子連れなど約70人は、柔らかい芽を一つ一つ丁寧に摘み取っていた。
 両親と参加した市立長崎中1年の杉山晄理さん(12)は「どんなお茶ができるか想像しながら摘むのが楽しい」と笑顔。体験後は市担当者から周辺の歴史や整備状況について説明があった。大平作業場跡は本年度、茶葉の加工体験ができる施設に整備される予定。

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