没後50年を迎えた足利市出身の画家川島理一郎(かわしまりいちろう)(1886〜1971年)の画業を顕彰する「川島理一郎展-描くことは即(すなわ)ち見ること」が、県立美術館で開催されている。滞欧期の色彩豊かな風景画から晩年の伸びやかな抽象画まで、親交が深かった藤田嗣治(ふじたつぐはる)らの作品も交え130点余で一望。副題に据えた本人の言葉が示すように、一貫して自然の観察を重視した川島のまなざしを追体験できる。6月18日まで。
若くして渡米し美術を学んだ川島は、ヨーロッパ、中国などアジア諸国、日本国内を旅して制作した。「各地の自然の躍動、生き生きした人々の姿を、『旅の画家』を追いかけるように楽しんでもらいたい」と同館研究員の大城茉里恵(おおしろまりえ)さんは同展の狙いを話す。
足利市立美術館と共同で開催した2002年以来となる大規模な回顧展。川島の画業を制作年代順に示しつつ、藤田をはじめナターリア・ゴンチャローヴァなど交流のあった国内外の画家、帰国後に川島が主宰した批評会「金曜会」に集った関連作家の作品などと合わせ、複層的にたどる。
観覧料一般900円、大高生500円、中学生以下無料。(問)同館028.621.3566。