「堤防の耐久性に影響も」新たに12件の不正確認 京都・福知山の不正コンクリート納入問題

京都府福知山市の場所

 京都府福知山市の建設会社が土木工事に品質を偽ったコンクリートを使用していた問題で、京都府は26日、不正が新たに12件確認されたと発表した。府の簡易検査で、府が定める強度は満たしていたものの、専門家の意見を踏まえ、工事を請け負った業者に必要な補修を求める方針。

 会社は「畿北アサノコンクリート工業」で、国と府は3月、由良川の堤防や護岸工事など4件に使われたコンクリートが、仕様書で規定した水セメント比「60%以下」ではなく「60%超」だったと公表。水セメント比は値が大きいと強度が下がる傾向がある。

 府によると、その後の調査で、2021年10月~22年12月、府が発注した福知山市内の河川護岸や水路を確保する橋の整備などで同様のコンクリートが一部で使用されていたことが分かったという。また、仕様書で求められた強度に準じないコンクリートが使われていた工事も新たに判明した。

 今回確認された公共工事には、14年の府北部豪雨で氾濫した弘法川の護岸や側溝工事も含まれている。府指導検査課は「ただちに問題があるという認識はないが、中長期的な観点で耐久性に影響が出てくる可能性がある」として、引き続き調査を進める。

 府によると、同社は不正を認めた上で「会社ぐるみではない」などと主張している、という。

 これまでに福知山市発注の工事でも7件の不正が明らかになっており、不正使用は国3件、府13件と合わせて計23件になった。

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