移住促進へ首都圏への交通費助成 小中学生も対象は全国初 宇都宮市

宇都宮市役所

 【宇都宮】佐藤栄一(さとうえいいち)市長は27日の定例記者会見で、東京圏への通勤・通学の新幹線定期代を最大で月1万円補助する制度を創設すると発表した。東京圏への通学補助としては全国で初めて小中学生も対象とする。小中高生約20人、大学生は100人前後の利用を見込んでおり、若い世代の転出抑制を図る。佐藤市長は「人口減の中、宇都宮に住み続けながら東京圏に通ってもらいたい」としている。

 東京圏は東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県。新幹線定期券購入費のうち、市が3分の1を補助する。対象は4月1日以降に東京圏から移住した人と、卒業後3年以内で29歳以下の新卒者、小学校から専門学校や大学院までの学生。補助期間は3年以内で、学生は修業年限を超えない期間とする。

 補助期間終了後3年間は市に居住する意思があることや、「移住者にも街づくりに関わってほしい」(佐藤市長)との理由から自治会への加入も補助要件とした。募集開始は7月を予定し、4月にさかのぼって補助する。本年度は移住者20人、新卒者10人を含む約150人の利用を見込む。

 市が東京圏への通勤・通学費の補助制度を打ち出した背景には、東京圏への転出超過がある。22年の転出超過者は1153人を数え、このうち15歳から29歳が8割を占める。市は進学や就職を機に転出するケースが多いと分析しており、担当者は「市に住み続けながら希望のライフデザインをかなえる一助にしてほしい」と話している。

 

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