いま振り返る「現代美術の動向展」 1960年代当時の意欲作ずらり 京都国立近代美術館

当時の熱気を伝える作品が並ぶ会場(京都市左京区・京都国立近代美術館)

 1960年代を中心に京都国立近代美術館(京都市左京区)が企画した「現代美術の動向展」を振り返る展覧会「Re:スタートライン 1963―1970/2023」(京都新聞など主催)の内覧会が27日、同館で開かれた。旧来の価値観を打ち壊し、新たな発想で制作した絵画や立体作品などに関係者が見入った。

 「現代美術の動向展」は、「ネオ・ダダ」や「もの派」など新たな美術潮流が生まれる中、注目の中堅、若手作家を紹介する展覧会として同館が開設した1963年に始まり、70年まで計9回開かれた。今回は開館60周年記念に企画され、66組の当時の出品作約80点を展示する。

 会場では、画材に木の板やひもなどを使った抽象絵画や、キャンバスに洗濯ばさみを何個も付けて表現した作品などが並ぶ。光と音で視覚や聴覚に訴える機械的な作品や、錯覚を利用した作品などもあり、関係者が新たな芸術を求めた当時の熱気を感じていた。

 28日から7月2日まで。月曜休館。有料。

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