2008年9月にUAEのシャイフ・マンスールが買収し、オイルマネーによって潤うことになったマンチェスター・シティ。
それから数多くの選手を獲得するために大きな資金を投入し、同じプレミアリーグのクラブに対して15年間で6億ポンド(およそ807.9億円)以上の移籍金を支払ってきた。
ただその一方、15年間でプレミアリーグのクラブへ選手を売却したことによって2億5000万ポンド(およそ336.6億円)の収入も得ているという事実も。
今回は『Squawka』から「2008年9月以降、マンチェスター・シティとの選手の取引で最も得したクラブ、損したクラブ」をご紹介する。
▼最も得した3クラブ
リヴァプール
2008年夏以降にマンチェスター・シティに放出した主な選手:ラヒーム・スターリング
2008年夏以降にマンチェスター・シティから獲得した主な選手:ジェームズ・ミルナー、コロ・トゥレ、クレイグ・ベラミー
収支:4400万ポンド(およそ73.58億円)
リヴァプールはマンチェスター・シティとの取引でうまくやっているクラブの一つだ。獲得した主な3名の選手はすべてフリーエージェントである。しかもミルナーはまさに大成功の補強だった。
一方で放出した選手はラヒーム・スターリングのみであるが、若くして彼を放出したのは痛かったともいえるものの、その一方で多くの移籍金を獲得したことも事実である。
エヴァートン
2008年夏以降にマンチェスター・シティに放出した主な選手:ファビアン・デルフ、エリャキン・マンガラ、ギャレス・バリー、ジョー
2008年夏以降にマンチェスター・シティから獲得した主な選手:ジョン・ストーンズ、ジャック・ロッドウェル、ジョレオン・レスコット
収支:7300万ポンド(およそ122.08億円)
マンチェスター・シティとエヴァートンは実は結構な数の選手をやり取りしており、主なものだけで7名の選手が取引された。エヴァートンにとってジョーとマンガラは全くの失敗だったが、デルフとバリーは成功を収めている。
またロッドウェルはともかくストーンズとレスコットはマンチェスター・シティにとって素晴らしい補強であった。お互いにいい関係を築いていると言えるだろう。
アストン・ヴィラ
2008年夏以降にマンチェスター・シティに放出した主な選手:ジャック・グリリッシュ、ファビアン・デルフ、ジェームズ・ミルナー、ギャレス・バリー
2008年夏以降にマンチェスター・シティから獲得した主な選手:ドウグラス・ルイス、スコット・シンクレア、マイカ・リチャーズ、シェイ・ギヴン、スティーヴン・アイルランド、リチャード・ダン
収支:1億1050万ポンド(およそ184.79億円)
アストン・ヴィラはマンチェスター・シティとの取引で最も黒字が多いクラブだ。誰よりも多くの選手を買っているが、大きな額を出したことはなく、ドウグラス・ルイスの1500万ポンドが最高だ。
一方2021年にジャック・グリリッシュを1億ポンドでシティに売却したことによって収支は一気に黒字となり、プレミアリーグ最高のプラスとなっている。
▼最も損した3クラブ
アーセナル
2008年夏以降にマンチェスター・シティに放出した主な選手:バカリ・サニャ、サミル・ナスリ、ガエル・クリシ、エマニュエル・アデバヨール、コロ・トゥレ
2008年夏以降にマンチェスター・シティから獲得した主な選手:ガブリエウ・ジェズス、オレクサンドル・ジンチェンコ
収支:-400万ポンド(およそ-6.69億円)
損した額はそれほど多くはないものの、この数年でガブリエウ・ジェズスとオレクサンドル・ジンチェンコの2名を獲得したことによってマイナスが一気に大きくなった。
これまではマンチェスター・シティに選手を供給する側だったことで有名であるが、ミケル・アルテタ監督も含めて「供給される」側になっていることがわかる。
チェルシー
2008年夏以降にマンチェスター・シティに放出した主な選手:ウェイン・ブリッジ
2008年夏以降にマンチェスター・シティから獲得した主な選手:ラヒーム・スターリング、ウィリー・カバジェロ、ダニエル・スターリッジ
収支:-4100万ポンド(およそ-68.56億円)
あまりシャイフ・マンスール時代になってからのマンチェスター・シティとの取引は多くないチェルシーであるが、支出の額はラヒーム・スターリングの獲得によってかなり大きくなった。
売った選手は2009年1月、シティの買収直前にウェイン・ブリッジを放出したのみ…だが、その半年前にはタル・ベン・ハイムとショーン・ライト・フィリップスを同時にシティに送り出している。
サウサンプトン
2008年夏以降にマンチェスター・シティに放出した主な選手:なし
2008年夏以降にマンチェスター・シティから獲得した主な選手:アンガス・ガン、ギャヴィン・バズヌ、ロメオ・ラヴィア、サムエル・エドジー、フアン・ラリオス
収支:-4850万ポンド(およそ-81.11億円)
リヴァプールには一方的に選手を供給する立場となっているサウサンプトンであるが、逆にマンチェスター・シティには誰も売ったことがなく、一方的に選手を買うだけという珍しい状況だ。
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昨年の夏にはなんとシティのアカデミーから4名の選手を獲得しており、アンガス・ガンやロメオ・ラヴィアなどが主力としてサウサンプトンを支える立場になっている。