中津市にサイクリストと訪日客専用の宿 ハワイから移住の夫婦、古民家を改装【大分県】

古民家の古いはりなどを残した和風情緒のある「すえひろや」。フロントで語り合うマクブライドさん(左)、渡辺さん夫婦=中津市諸町
共用リビングは自転車も持ち込めるほど広々としている

 【中津】中津市諸町にサイクリストとインバウンド(訪日客)専用の宿泊施設「すえひろや」が28日、オープンする。ハワイから移り住んだ夫婦が古民家を改築。古い柱やはりを生かした日本情緒のある宿は、アフターコロナで増加が見込まれるインバウンドの受け皿にもなりそうだ。

 夫婦は米国出身のジェイソン・マクブライドさん(54)と大分市出身の渡辺照与さん(57)。ジェイソンさんは居合道2段で日本文化に興味があり「いつか暮らしたい」と思っていた。

 2016年に夫婦で中津市を訪れた際、城下町にたたずむ古民家に一目ぼれ。町の雰囲気も気に入り、19年5月に移住した。

 築150年以上とみられる建物は空き家になって数十年が経過していたため、大規模改築。昨年夏ごろからはイベントスペースなどとして使い始め、宿泊施設としての準備を進めた。

 市内にはメイプル耶馬サイクリングロードなど風光明媚(めいび)な観光資源があり、福岡県から近い立地も生かせると考え、宿泊者のターゲットを自転車愛好家や訪日客に絞ったという。

 客室は洋室と和室の2部屋ある。和室の畳には「大分の魅力を感じてほしい」と国東産の七島イを使用。自転車を持ち込める広いリビングや風呂、トイレなど、共用スペースも充実している。バーベキューや自転車の整備ができる屋外スペースもある。

 2人は「中津や近隣には観光資源が多く、魅力を感じる外国人は多いはず。ここを中心にみんなが潤う観光のウエーブを起こしていきたい」と話している。

 素泊まりで1人1泊4500円(税込み・朝食付きは500円増)。問い合わせは同店インスタグラムのダイレクトメールへ。

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