「陸ペーロン」でイメトレ 3年生の指導にかけ声響く 30日、長崎市立橘中学校 で伝統の校内大会

いすを船形に並べ、かいやタオルでこぎ方を練習する生徒たち=長崎市立橘中

 「いち、に、さーん」。長崎県長崎市かき道4丁目の市立橘中(井上博之校長、447人)で、各教室からペーロンのかけ声が響く。30日に牧島町の臼の浦漁港で開く校内ペーロン大会を前に24日、3年生が下級生にかいのこぎ方を指導した。
 同校の大会は1991年に始まり33回目。地域の伝統行事を通じ、新しいクラスの結束を高めようと開いている。本番までに海上での練習はなく、教室内にいすを船形に並べ、陸(おか)ペーロンでイメージトレーニングを積むという。大会は学級対抗で2レースの合計タイムを競う。
 1年生は初めてペーロンに触れる生徒も多く、まず動画で流れを学習。3年生がかいの握り方から船内での足の位置、こぎだすタイミングなどを説明し、手本を見せた。かいの数が限られているため、タオルも使って動作を確認。こぎ手26人とドラ、太鼓の計28人で息を合わせた。
 3年の岸川かんな実行委員長(14)は「学年を超えて仲良くなれるのが大会のいいところ。伝統が続いてほしい」と下級生にエール。1年の荒木玲音さん(12)は「2レース目は太鼓役で、リズムを取るのが難しい。勝てるかわからないけれど、優勝を目指したい」と話した。

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