心はミンジー 西村優菜が「はじめて」いいスタートを切れた理由

焦ることなく淡々とプレーできた(撮影/村上航)

◇JMイーグルLA選手権 presented by プラストプロ 初日(27日)◇ウィルシャーCC (カリフォルニア州)◇6258yd(パー71)

ウェーティング1番手から繰り上がりで出場を決めた西村優菜が、5バーディ、2ボギー「68」で回って首位と4打差12位で大会を滑り出した。初日「60」台は、日米ツアー合わせて今季初。「はじめて初日がよかった」と、米国で上位でスタートを切るのもはじめてだった。

西村はルーキーシーズンを昨秋のツアー予選会(Qシリーズ)24位の資格で参戦しており、迫る“リミット”に焦っていた。5月11日開幕の「コグニザント ファウンダーズカップ」終了後に行われるリシャッフル(ツアー出場優先順位の再編)までに、米ツアーの年間ポイントランキングで順位を上げないと、それ以降のツアー出場は厳しくなる。西村は現在101位。LPGAによれば、同大会の終了時で少なくとも100位以内に入る必要がある。

ハリウッドサインがバックに映える(撮影/村上航)

毎日がプレッシャーとの戦いだったが、「新しい気持ちで挑んでみよう」と入った今週、さっそく効果が表れた。きっかけは前週のメジャー「シェブロン選手権」最終日。同組で回ったツアー8勝のミンジー・リー(オーストラリア)の姿が印象に残った。

前半5ホールで3ボギーを叩いたミンジーは、それでも冷静さを失わなかった。「そこから6個獲って3アンダーフィニッシュ。やっぱり、さすがだな」と淡々とプレーする強さを学んだ。

「自分に当てはめて」と入った初日、出だし2ホールで連続ボギーが出たが、17ホール目までで5バーディを奪って3アンダー10位タイ。最終9番はファーストパットをミスして4mのパーパットが残ったが、「ミスの返しと思うより、新しいパットで」と切り替え決めきった。

米国ではじめての好スタート(撮影/村上航)

「すごいうれしい」と好スタートを喜ぶ半面、「あしたは、あした」と表情を引き締めた。現時点で「コグニザント ファウンダーズカップ」の出場枠に入っているため、リシャッフルまで今週を含め残り2試合。あしたもミンジーを心に留めてプレーする。(カリフォルニア州ロサンゼルス/谷口愛純)

心に、ミンジーを憑依させてプレー(撮影/村上航)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン