パリで活躍のオノデラユキ個展開催

wamono artは5月12日からパリを拠点に30年にわたり世界で活躍する日本人アーティスト・オノデラユキの個展「ここに、バルーンはない。」を開催する。香港ではオノデラユキの初めての個展となり、フランスの文化や芸術を多彩なプログラムを紹介する「French May Arts Festival」のプログラムの一部として参加している。

オノデラユキは1962年東京生まれ。1993年よりパリにアトリエを構え世界各地で活動を続けている。彼女の作品は写真をメディウムとして使用しながら、数メートルのコラージュやドリッピングなど写真の枠を越える実験的でユニークな作品で知られている。

カメラの中にビー玉を入れて写真を撮影したり、事件や伝説からストーリーを組上げ、それに従って地球の裏側にまで撮影に行ったり、あらゆる手法で「写真とは何か」「写真で何ができるのか」という実験的な作品を数多く制作し、写真という枠組みに収まらないユニークなシリーズを発表。さらに自分自身で2m大の銀塩写真をプリントし、油絵の具を使ってモノクロ写真に着彩するなど、数々の独特な手仕事の技法でも知られる。

その作品はポンピドゥ・センターをはじめ、サンフランシスコ近代美術館、ポール・ゲッティ美術館、上海美術館、東京都写真美術館など世界各地の美術館にコレクションされている。

今回の個展では2022年に制作された「ここに、バルーンはない。」を紹介。この作品は1940年代に溶かされ消失したBartholdi作のブロンズ像、ParisのPorte des Ternesにあった気球のモニュメントを題材にしている。モニュメント不在の現在の現場を撮影し、彼女自身の手でプリントした2mの銀塩写真表面にStareReapというリコーの新技術を駆使して数ミリの厚みのある鮮やかな2.5Dプリントを施し、手仕事とデジタル技術の融合と衝突を顕在化させた唯一の珍しいシリーズ。さらに今回は幅広い彼女の仕事の一面が見られる近作も同時に展示する。

オノデラユキ個展「ここに、バルーンはない。」

会場:wamono art @WerkRaum, Unit A, 10/F, Derrick Industrial Building, 49 Wong Chuk Hang Rd, HK

会期:5月12日(金)― 6月10日(土)

営業時間:月~木:完全予約制 (WhatsApp +852 6822 2962)

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