角田裕毅が今季予選最高位の8番手「この結果にほっとした。アップグレードで一歩前進、今回は入賞が可能」/F1第4戦金曜

 2023年F1アゼルバイジャンGPの金曜、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅はスプリント・フォーマットでの金曜予選で8番手を獲得した(日曜決勝8番グリッド)。角田にとってもチームにとっても、予選Q3に進出したのは今シーズン初。

 今回チームは、角田のパワーユニットにICE、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-K、エキゾーストシステムのそれぞれシーズン2基目を投入した。規則で認められた制限基数内であるため、ペナルティ対象にはならない。

 チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズは、一日を振り返り、次のように語った。

「今回、いくつかの新しいエアロコンポーネントを持ち込んだが、これまでのイベントから予想される競争力では、Q3に進めるポテンシャルはないと考えていた。そのため、より多くのポイントを獲得できる日曜日にできるだけ上位グリッドからスタートすることを目指し、FP1では予選への準備に力を入れた」

「ドライバーふたりは、FP1でソフトタイヤ2セットとミディアムタイヤを使って走った。角田は最初のセットでウォールに接触し、リムを損傷し、パンクしたため、そのランを中止しなければならなかった。幸い、同時に赤旗が出たので、(他と比較して)それほど多くの走行時間を失わずに済んだが、それでもFP1の残りの部分では後れを取ることになった」

「予選では何度も赤旗が出て、タイヤの準備が難しく、裕毅のためのプランについて、かなり柔軟になる必要があった。そういう状況のなかで、チームは、裕毅の貴重なフィードバックもあり、Q3進出のために、とてもうまく状況を管理することができたと思う」

「FP1で予選の準備に集中したことのデメリットとして、Q3には新品タイヤが残っていなかった。それでも裕毅はユーズドタイヤで素晴らしいラップを走り、日曜決勝での8番グリッドを確保した」

「これから、今回初めて取り入れられる明日のシュートアウトに焦点を移す。明日は再び、このサーキットでの我々のマシンの競争力を示すチャンスになる」

2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP 角田裕毅(アルファタウリ)

■角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)
FP1 14番手(1分44秒137:ソフトタイヤ/18周)
予選 8番手(Q1=10番手1分42秒234:ソフトタイヤ/Q2=7番手1分41秒569:ソフトタイヤ/Q3=8番手1分41秒581:ソフトタイヤ)

 何よりもまず、チーム全体が素晴らしい仕事をしたと思います。僕たちの弱点はストレートラインスピードでしたが、ビスターで働く全員が競争力を高めるためにアップグレードを導入すべく懸命に取り組んでくれました。今日の結果に満足していますし、今後が楽しみです。

 ニック(・デ・フリース)はFP1でとても好調だったので、ああいう形(注:クラッシュ)で予選を終えることになったのは残念です。でも、彼が無事でよかったです。

 僕の予選について振り返ると、今日はマシンのパフォーマンスを最大限に発揮することができたのでうれしいですし、今年初めて8番手という結果を出すことができてほっとしています。これは正しい方向への一歩です。今週末はポイントを獲得できる可能性があります。明日のスプリントレースでも、日曜のレースでも、ポイントを持ち帰れるよう、さらなるパフォーマンスを見つけるために作業を続けていきます。

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