「後ろからドーンと音がした」医療系の学生3人、煙上がる車から女性救出 授業の知識生かす

交通事故で高齢者を救助し、感謝状を贈られた坂本さん(左)、鬼束さん(中央)、堀川さん=南丹市園部町・南丹署

 京都府南丹市園部町で3月に起きた交通事故で煙の上がる乗用車から女性を救出、介抱したとして、南丹署は明治国際医療大2年鬼束拓弥さん、坂本愛恵さん、堀川尚紀さん=いずれも(19)=に感謝状を贈った。3人とも医療系の学科で、授業の知識を生かして落ち着いて対処できたという。

 3月17日午後1時ごろ、男子サッカー部の3人が鬼束さんの車で同大学(日吉町)へ練習に向かう途中、「後ろからドーンという音がした」。ミラーを見ると、乗用車が府道のガードレールに衝突する事故が起きていた。

 堀川さんが「助けないと」と呼びかけ、現場へUターン。運転席では70代女性がぐったりとし「胸が痛い」と訴えたため、堀川さんが肩を貸して助け出した。坂本さんは警察と消防に通報。鬼束さんが発炎筒をたき、二次的な事故を防いだ。到着した救急隊が女性を病院に搬送し、命に別条はなかったという。

 今月24日、同署で感謝状の贈呈式があった。救急救命学科の堀川さんは、授業で習ったように氏名や生年月日を聞くと明瞭な返事があり「容体の急変はなさそうと分かり、焦らなかった」と振り返った。柔道整復学科の坂本さんも知識があり「助かってよかった」と話した。鍼灸学科の鬼束さんは「地域に貢献できた」と安心していた。

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