GWに釣りする人へ…大物狙うより大切なこと ぬるぬる消波ブロック、荒天は超危険【敦賀海保日誌】

ミニボート利用、釣りの時の注意点

春の日差しが気持ちのいい季節。みなさんいかがお過ごしでしょうか。ノリノリで新生活を迎えた人もいれば、中には新たな生活が始まって迷いや不安、息苦しさを感じている方もいらっしゃるかと思います。ちなみに私は迷いや不安でいっぱいの毎日を過ごしています。

でも、そんな暗い気持ちを一気に吹き飛ばしてくれる楽しみがもうすぐ訪れます。そう!それが春の大型連休「ゴールデンウィーク」ですね!!この連休のことを考えると、不安な気持ちを隣において羽を伸ばしたい気持ちになり、子供のころのように無邪気に遊びたいと思いますよね。そんな中、連休中のレジャーの一つとして家族や友達と一緒に釣りに行くという選択をする人もいるのではないでしょうか。

福井の海はとてもキレイで人気のレジャースポットもたくさんあり、福井県民はもちろんのこと他県からのお客さま、特におとなりの滋賀県、岐阜県の方やご近所の愛知県、京都府の方からも愛される海となっています。しかし愛され過ぎて、海に逢いに来る人が多くなると、海での事故も多くなってしまいます。例えば釣り人であれば防波堤からの海中転落、プレジャーボートやミニボートであれば、衝突や乗揚げ、船からの海中転落などがあげられます。このような事故が起きると楽しい思い出として残るはずだった連休が台無しになってしまいます。

そこで今回は海中転落に焦点を当てて、海で楽しく連休を過ごすための海の安全対策を一緒に考えていきましょう。

まずは、当日の天候確認です。そもそも天候が悪い日を狙って海に来る人は、いないと思いますが、いざ釣り場に着いてみると天気が悪く、せっかく大物を狙って来たのにもったいないと思って無理に釣りを楽しもうとしてしまう方がいます。天候が悪い時に釣りをしていると防波堤の上からでも波にさらわれ、海中転落する可能性があります。なので天候の悪い時には釣りなど海で遊ぶことは諦め、海以外の福井県の魅力に目を向けてみましょう。福井県には見どころのある名所や史跡がたくさんありますよ。

2つ目は救命胴衣をしっかり着用すること!これが海で遊ぶうえで何より重要だと思います。万が一海に落ちてしまったとき、救命胴衣を着用している時と着用していない時とでは、生存率や救助してくれる人からの見えやすさなども変わってきます。うみまるも救命胴衣を着用しているときとしていない時の違いについて人命救助訓練で体験したことがありますが、その時、救命胴衣の大切さを身をもって感じました。うみまるは、海上保安学校の学生時代に5.5㎞の遠泳訓練を完泳するほどの実力者ですが、あるとないとではまったく違うんです、ほんとに。「もしも」の事を考えて暑いから、動きにくいからと一時の感情に流されて救命胴衣を外すような事はやめましょう。

3つ目は安全な場所を選ぶこと!港で釣りをするときに少しでも沖の方や、ほかの釣り人がいないところを探して消波ブロックへ行きたくなることがあります。でも消波ブロックの上は見ての通り足場が悪く濡れて滑りやすくなっていたりもします。もし足を滑らせたりしたら言うまでもありません。それに、釣り人がいないところを選んでいるので、海に落ちても気づいてくれる人はいませんよね。船に乗って釣りをする方も同様に身を乗り出しすぎるとバランスを崩して海に落っこちてしまいますので気を付けてください。安全に釣りができる場所を確実に見極め釣りを楽しんでください。ちなみに安全に釣りができるように整備されている釣り公園などが全国にありますが、そこには防波堤などの施設に手すりが設置されているので転落の心配を軽減してくれると思います。ですが身の乗り出しにはくれぐれもご注意を!!

そして万が一事故が起きてしまった時には、海上保安庁118番に通報してください。

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他にも注意すべきことがありますがあまり長くなりすぎても眠くなってしまうと思いますので、今回はここまでにしたいと思います。大型連休ということで思いっきり羽を伸ばしてほしいところではありますが、まずは安全を第一に考え、羽の伸ばしすぎにはくれぐれもご注意を。鳥なら海に落ちる寸前で飛びあがれますけど、ゴールデンウィークに伸ばす羽では鳥のように空を飛ぶことはできませんからね!!鳥がうらやましい!(敦賀海上保安部・うみまる)

 

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