◆横浜3-4相洋(延長十回、タイブレーク)
主将の緒方が涙をにじませながら引き上げてくる。タイブレークの末に敗れた横浜は、春季大会とは思えないショックに覆われていた。
相洋は間違いなくベストゲーム。ただ、これしかないという相手の勝ちパターンにはまってしまったのは横浜の方だ。
三回、故障明けの先発鈴木が先制点を奪われる。「点差が開けば自分は投げない予定だった」というエース杉山が、かなり早い段階でマウンドに上がった。
杉山は「調子は悪くなかった」と言う。それでも「ボールはいいところにいっても、ストレートに合わされた」。高めに来た直球を狙われ、三回に1失点。六回は先頭に右中間二塁打を打たれてパスボールで追加点。タイブレークの十回も、強攻策で直球を左前に運ばれて決勝点を許した。
「研究されて、徹底された」と村田浩明監督(36)。杉山を攻略しようと待ち構えていた相手に対し、エースの孤軍奮闘では持ちこたえることができなかった。