岩手県内介護現場、感染なお警戒 新型コロナ、迫る5類移行

感染拡大時に備え、防護服の着脱の手順を確認するやまゆりの職員。5類移行を控える中、介護現場では緊張感が高まっている=一関市千厩町

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付け変更が8日に迫る中、県内で高齢者の介護現場が緊張感を高めている。過去の流行期には、施設内で入所者が感染しても療養継続を強いられる事態が相次ぎ、クラスター(感染者集団)が続発。5類移行後、入院体制は拡大されるが、受け入れが円滑に進むか不透明との不安が拭えていない。現場は自力で訓練を重ね、警戒を強めている。

 「体にウイルスが付かないように意識してください」。一関市千厩町の介護老人保健施設やまゆり。施設内で感染者が確認されたと想定した訓練を行い、施設の看護師が介護職員らに防護服の着脱の手順を説明した。

 やまゆりでは昨年8月にクラスターが発生し、入所者11人と職員5人が感染。入所者の入院を希望したものの、医療機関の病床逼迫(ひっぱく)などを理由に施設内療養を余儀なくされた。職員の人繰りが難しくなり、系列の他施設から応援を得て何とか乗り切った。

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