読書仲間が集う場「BunDoku」10周年 大分市中心に活動、世界観広げる【大分県】

グループに分かれてお薦め本を紹介し合う参加者=大分市中央町

 【大分】「大分読書コミュニティBunDoku(ブンドク)」が10周年を迎えた。「読書を通じて仲間が集う場」をコンセプトに、これまで130回以上の読書会を開催。お薦めの本を紹介し合ったり、課題図書を読んで感想を話し合ったり。幅広い年齢層の読書好きが集い、お互いの世界観を広げている。

 2013年4月、大分大医学部の学生が発起人、事務局となり活動をスタート。読書会を月1回、主に大分市で開いてきた。新型コロナウイルス禍でリモート開催も試みたが、2年半近く休止状態が続いた。昨年7月に対面での会を再開。現在は定員を20人から10人に減らし、不定期で開いている。

 4月29日は10周年の読書会と懇親会を大分市中央町のレンタルスペース・ミツバチで開いた。市内外から22人が参加。五つのグループに分かれてそれぞれのお薦め本を紹介した。小説、エッセー、伝記、紀行などジャンルはさまざま。粗筋や内容を説明し、感じたことをざっくばらんに語り合った。

 同市千歳の会社員丸茂環さん(40)は、16年からコロナ禍前まで、ほぼ毎回参加した。「趣味の合う仲間との居心地のいい、緩いつながりがいい。誰かに伝えることで読書が深まり、本の幅も広がる」。同市の公務員成松千穂さん(34)は2回目。読書会をインターネットで探したという。「読書は大事と思いつつ、機会をつくらないと読まないタイプ。同じ本でも、読む人によっていろんな意見があり、視点が違うのが面白い」

 10年間の参加者数は20~70代まで約600人。3代目事務局の江藤潤一郎さん(32)=同市王子南町、公務員=は「本の感想を話す相手がいることで読書のモチベーションが上がる。新陳代謝のいい場所になるように、いろんな人に来てほしい」と話した。

 次回の日程は決まり次第、大分読書コミュニティBunDokuのホームページで告知する。

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