GW後半 観光地で混雑 客急増に業者“人手不足”

5連休の初日にあたる5月3日、観光地は多くの人でにぎわっています。

ゴールデンウィーク後半の3日、新幹線は下りのピークを迎え、東京駅は、朝からスーツケースを持った人や大勢の家族連れで混み合いました。JRによりますと、東海道新幹線や山陽新幹線、東北新幹線などで3日午前の下りの指定席が満席となる列車が相次ぎました。

さらに都内の観光地でも…。台東区浅草には国内からに留まらず、海外からも多くの観光客が訪れていました。新型コロナ流行直後となった2020年の大型連休では閑散としていた雷門。3日は入口から奥まで見通せないほど多くの人であふれかえっていました。

浅草で30年以上、人力車を運営する「時代屋」では、利用者数がコロナ前より増加したといいます。

人力車社長:「(2019年比で)2割増くらいですかね。日本の国内でも今年の傾向としては国内旅行が多い」

また、海外からの観光客についても、コロナ前と傾向が変わってきているといいます。

人力車社長:「(例年)海外の方は日本のピークシーズンを避けて来られる方が多かったんですけども、今年に関してはゴールデンウィーク関係なしに外国の方がたくさん来られている。要は3年分の旅行が一気に来たという感じはあります」

一方で、急激な利用者の増加に人手が足りず、臨時でスタッフ数を増やしましたが、対応が追いつかない場面も。

人力車社長:「人手が足りてなくて、お客様のご希望通りご予約が取れないということは起こっております。少ない人数でなんとか対応をしているという感じですね」

帝国データバンクによりますと、正社員の人手が足りないと回答した企業は、全体で51.4%に上り、なかでも業種別でみてみると、「旅館・ホテル」が8割に迫る高い水準となっています。

浅草駅前にあるホテルでも人手不足の問題を抱えています。宿泊者数は、去年と比べ3倍以上に増加したため、フロント担当のスタッフが、経理も担うなど、人手不足問題に対応しているといいます。4月に新入社員が入り、人手不足は徐々に解消しつつありますが、必要なスタッフの数には届いていないといいます。

支配人:「まだまだ実際に想定したスタッフの数ではありません。これから夏に向けてしっかりと新入社員が成長して、もっともっと体制を整えていければと考えております」

今年のゴールデンウィークは、各地でにぎわいが戻ってきていますが、観光業界の復活に人手不足が足を引っ張る状況になっています。

帝国データバンクによりますと、回答があった大企業・中小企業約1万1000社のうち、正社員の人手不足が51.4%、非正社員の人手不足が30.7%となりました。業種別で見てみると、正社員・非正社員ともに、宿泊業や飲食業で、深刻な人手不足の現状が表れる形となっています。需要の急回復に、供給が追い付いていない形となっています。

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