富山県射水市加茂中部(下)の加茂神社に伝わる「やんさんま祭り」が4日、同神社の境内で行われた。4年ぶりに従来の規模で実施し、疾走する馬から乗り手が矢を放つ「流鏑馬(やぶさめ)式」に大勢の来場者が見入った。
流鏑馬式の乗り手は地元の下村愛馬クラブに所属する柴田大輔さん(26)と奥野裕介さん(41)、高島周さん(40)が務めた。3人は馬にまたがって境内を駆け抜け、全長3.6メートルの大弓に矢をつがえ、的をめがけて放った。久しぶりの開催とあってか、大勢の観客に慣れていない馬が興奮する場面もあったものの、矢が的中すると来場者から大きな歓声が上がった。
昨年度、文化庁の補助を受けて馬や乗り手の衣装などが新調された。
親子で訪れた高岡市南条小学校5年、宮本季美樺さんは「馬が速く走る姿がすごかった」と話し、初めて見る流鏑馬式の迫力に驚いていた。
牛を座らせることによって田の神が地域にとどまり、天下泰平と五穀豊穣をもたらすとされる「牛乗(うしのり)式」も行われ、田の神に扮(ふん)した男性が乗った牛を若衆が組み伏せた。
「やんさんま祭り」は県の無形民俗文化財に指定されている。