パルメザン風のクリームを絞ったシーザーサラダ。「広島レモンサーモン」が使われています。
フランス・プロヴァンス地方の代表的なソースで仕上げたグランディール。広島の「祇園パセリ」が入っています。
アワビと江田島のアイミィトマト、そしてフランス産のチーズを合わせた一品です。
きょうのテーマは、広島市のホテルで来週から始まる “広島美食サミット” 、その開催までの舞台裏に密着しました。
◆ おいしい! 広島試食商談会 2月28日
ことし2月末、広島市文化交流館で開かれた商談会です。サミットを契機に、広島の食材を使ったレストランメニューを作ろうと開かれました。
ホテルや飲食店関係者に商品をPRするのは、廿日市市のキノコ農家、庄原市のコメ農家、尾道市の野菜農家などなど。49の生産者のブースが並びました。
藤本農園(コメ・庄原市) 藤本佐知子 取締役
「ホテルからの引き合いがあったこと、興味を持っていただいたことが、まずうれしくて。どういった形で食べていただけるのか。やっぱりホテルで提供される食べ方はどんなふうな料理になるんだろうかとすごく興味がありました」
商談の結果、採用されたのは、「女鹿平のあわび茸」、安佐南区の「祇園パセリ」、「広島レモン」や「三次のネギ油」など、あわせて30種類以上。いずれも広島ならではの食材です。
以前、ホテルに食材を納入したことがある生産者も、実際のメニューは食べたことがないようです。
きのこ屋本舗(キノコ・廿日市市) 蔵重昌三 営業部長
「日頃は勝手口からおうかがいするので、よう食べれんかったんですよ。次は必ず食べさせていただきたいと思っています」
藤本農園(コメ・庄原市) 藤本佐知子 取締役
― 実際に料理を食べられましたか?
「自分たちが行くにはちょっとお高い…」
◆ 社内試作発表会 3月16日
試作会商談会から2週間余り…、リーガロイヤルホテル広島では、メニューの試作会が開かれました。ホテルの6つのレストラン担当者が、広島の食材をどのように使ったのか、プレゼンしていきます。
G7広島サミットもテーマに加える今回のメニュー。まずは1階にある「ダイニングルオーレ」のメニューです。
島崎高之 シェフ
「こちらはアメリカです。祇園パセリのみじん切りを入れて、ミートローフを作りました」
― ナイフを置いておいて、お客さまにカットしていただく?
「難しいかな。切りましょうか」
33階の「シャンボール」と「リーガトップ」で腕を振るうのは、春田義彦 シェフです。
春田義彦 シェフ
「女鹿平のあわび茸と香り舞茸。生産者さんとお会いするうちに、このキノコを時期に関係なく使いたいと思いまして。全てにおいて無理に使ったのではなく、これを使おうと思って、決めた料理となっています」
デザートには、こんなメニューも…。
「『中生新千本』という広島の伝統的なお米をアイスクリームにしました。泡は、賀茂鶴。日本酒を飛ばしていませんので、アルコールがあります」
フェア本番に向けて、それぞれのレストランで改良を続けることになりました。
◆ メニュー撮影会 3月22日
この日は、料理の撮影が行われていました。1枚1枚、モニターで確認しながら、撮影を続けます。
リーガロイヤルホテル広島 販売促進担当 三宅千春 さん
「使う場所によります。メニューの紹介をするのであれば、さっきの横からの方がいいと思います」
画像を増やしてSNS映えを狙います。
― これも正方形?
「正方形を使いたいです」
◆ フェア試食会 4月26日
リーガロイヤルホテル広島 笠村宏治 料飲部長
「生産者のみなさまは、丹精込めて作られた食材がどのような形で消費者の元に届くのかをご覧になる機会はそんなに多くはないのかなと思っております」
そして、迎えた生産者の試食会―。およそ20人の生産者が参加しました。それぞれの食材がレストランメニューに昇華しています。
きのこ屋本舗(キノコ・廿日市市) 蔵重昌三 営業部長
「舞茸とあわび茸を納めさせてもらっています。この中に入っている。これはうまい。念願かないました。自分たちで作ったり、食べたりしてるものとなんていうか味の広がりというか、違いますね、全然」
藤本農園(コメ・庄原市) 藤本聡 社長
「こういうお米の料理、お米のお菓子も可能性としてある。自分たちとしては目からウロコっていうか。もっといっぱい食べてもらって、広島県の人にも食べてもらって、広島県の食はすごいと、もっと知ってもらいたい」
最中で共演を果たしたお米とお酒…
藤本農園(コメ・庄原市) 藤本佐知子 取締役
「お米をアイスの中に入れたことがなかったので。すごくおいしいです」
賀茂鶴酒造 藤原昭典 会長
「こんなふうに姿を変えるとはびっくりです。とってもおいしい。変に日本酒していない。女性によさそう」
祇園町農事研究会 パセリ部会 庄田俊三 副会長
「県産の食材を、今回のタイミングでいろいろな各国の方に紹介して、食べていただけるのは、すごくいい機会だと思うし、こんなにおいしいものがあるというのをとにかく知ってもらいたい」
今回の特別メニュー、サミットに出席する首脳が口にする機会がもしもあったとしたら…?
祇園町農事研究会 パセリ部会 庄田俊三 副会長
「正直、怖いです。怖いというか、いい意味でびっくりです。そんなことはなかなかないことだと思うので。そこは、ぜひ楽しんでいただけたらと思います」
サミット関係者が実際に食すかどうかはわかりませんが、生産者の夢は広がっています。
リーガロイヤルホテル広島での「おいしい! 広島美食サミット」は、5月8日~6月30日まで開催されます。(サミット期間中の5月18日~21日は休業)