横浜港望む公園で養蜂10年 「はち育」自然理解の一助に

ミツバチで埋め尽くされた「巣枠」を手にする永江所長

 西武造園グループが横浜市中区のアメリカ山公園で始めた事業「はち育」がこの春、丸10年を迎えた。公園での養蜂を通じて多くの人に自然環境への理解を深めてもらおうとする取り組みで、環境学習プログラムや商品開発などを展開してきた。担当者は「蜂蜜という食品を、自分の身の回りにある緑や花に興味を持つきっかけにしてほしい」と願い、活動の裾野を広げようと励んでいる。

 横浜港を望む公園の一角には養蜂スペースが設けられ、無数のミツバチが飼育されている。ちょうど春から夏にかけてはミツバチが最も活発に活動して蜜を集める季節。「この流蜜期にハチの群の大きさをピークにするのが腕の見せどころ」と、10年にわたり取り組んできた永江晴子所長(45)は笑みを見せる。

 養蜂経験者の指導を受けながら飼育を始めた当初はミツバチの越冬に苦労したが、経験を重ねて徐々に採蜜量も安定してきた。採れた蜂蜜は公園で販売しているが、あくまでも「蜂蜜は入り口」と狙いを明かす。

 「ハチが本当に花から蜜を採って集めていることや、そのハチの小ささを見てもらい、地域の自然環境に興味を持ってほしい」

© 株式会社神奈川新聞社