「界 由布院」がベストニューホテル100に 米旅行専門誌、「緩やかな時間」評価【大分県】

宿の中心に棚田が広がる「界 由布院」=由布市湯布院町川上
畳の室内にはソファーやベッドを配置しモダンな雰囲気に。窓からは棚田が望める

 【由布】星野リゾート(長野県)が運営する温泉旅館「界 由布院」(由布市湯布院町川上)が、米国の大手旅行専門誌「トラベル・アンド・レジャー」の2023年のベストニューホテル100に選出された。国内では唯一。同施設は「光栄であるとともに、重みを感じ身が引き締まる思い」と喜ぶ。

 ベストニューホテルは新しくオープン、またはリニューアルした世界中の宿泊施設から同誌の編集者が毎年、選出するという。

 「界 由布院」は昨年8月に開業。約3万5500平方メートルの敷地内に棚田を設け、地元の原風景を演出している。施設の設計・デザインは建築家の隈研吾さん(豊の国かぼす特命大使)が担当した。大浴場からは由布岳が望める。客室数は45室。うち5棟の離れがある。

 同誌のウェブページによると、伝統的な旅館を現代的にアレンジしている建築や地元の味を取り入れたモダンな会席料理などを評価。「時間がゆっくりと流れているよう」と記している。

 同施設では、新型コロナウイルス禍での水際対策が緩和された後の昨年12月ごろから海外からの予約が入り始め、現在は3割ほどが海外客。丹沢徹総支配人(46)は「訪日観光客は東京や大阪などメジャーな地域に偏っており、地方の良き文化が伝えきれていない。(選出は)認知度を高めるために重要な意味がある」と話す。

 外国人客は東アジアからが大半を占めており、欧米客の拡大にも期待を寄せる。「風景を楽しみ穏やかに時間が過ごせるよう、より頑張っていきたい」と丹沢総支配人。環境などに配慮しながら持続可能な観光を今後も目指していくという。

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