被爆遺構訪ね 平和実感 長崎で「憲法さるく」 胎内被爆者 陸門さん 原爆の威力解説

山王神社二の鳥居で原爆の威力を説明する陸門さん(右)=長崎市坂本1丁目

 街歩きを通して、平和や憲法について考える「憲法さるく」が4日、長崎市内であり、参加者約20人が、坂本地区の被爆遺構などを訪ね歩きながら、平和の大切さをかみしめた。
 護憲派の市民団体「県九条の会」が毎年企画し、16回目。セミナーやデモとは違う街歩き形式で、若い世代や子どもたちにも平和憲法について考えてもらおうと、憲法記念日(3日)とこどもの日(5日)に合わせて開いている。
 今年は同市の胎内被爆者、陸門良輔さん(77)がガイドを務め、岩川町や坂本地区の被爆遺構を約2時間かけて巡った。このうち「一本柱鳥居」として知られる山王神社二の鳥居では、柱に刻まれた文字が熱線を浴びた爆心地側だけ薄くなっている状況を示しながら、原爆の威力を解説した。
 陸門さんは、自身の古い記憶として、原爆症のため長崎大学病院に入院していた祖父を見舞った思い出を紹介。「祖父の顔は覚えていないが、がれきや白骨がまだ多く残っていた病院周辺の風景は鮮烈に覚えている」と話し、戦争の悲惨さを伝えた。

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