G7長崎保健相会合 「握り合う腕」対話の重要性アピール 県庁そばに巨大地上絵、仏出身の芸術家描く

芝生に描かれた握り合う2本の腕=長崎市尾上町、おのうえの丘(UNITED VOICES提供)

 県庁そばの防災緑地「おのうえの丘」(長崎市尾上町)に2日、フランス出身のアーティストSAYPE(セイープ)さん(34)が巨大な地上絵を完成させた。描いたのは、握り合う2本の腕。13、14両日に同市で開催される先進7カ国(G7)保健相会合に合わせ、各国要人に「対話による平和的解決」の重要性をアピールする。
 SAYPEさんは2019年から、世界各地の災害や紛争を乗り越えた地域で同様の絵を描いている。日本には、弁護士などで構成する団体「UNITED VOICES」が誘致し、沖縄に次ぎ2カ所目。「長崎は特別な街。戦争を経験した人から若者へ語り継がれることが大事だと考え、お年寄りと若者の腕を選んだ」と作品への思いを語った。
 縦約25メートル、横約80メートル。環境に害のない生分解性スプレーを芝生に噴き付け、5日間で制作した。2週間程度で自然に消えるまで、自由に見学や撮影をできる。
 同団体の桜井祐子さん(36)は「世界の分断は制裁やデモではなく対話によって乗り越えられることを発信していきたい」と話した。今後、静岡県富士市と東京都でも制作を予定している。

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