「フラッと おいでよ」 日光のNPO法人 障害者の居場所開設 

「ふらっと」談笑する利用者たち

 【日光】障害者の就労支援に取り組むNPO法人はばたき(広瀬浩(ひろせひろし)理事長)はこのほど、今市本町で障害者の居場所事業「市地域活動支援センターふらっと」を始めた。同法人が運営するコミュニティーカフェの定休日に、建物を有効活用し週3日のペースで“居場所”を開設。ウッド調の温かみのある建物で、利用者は自由に交流やレクリエーションを楽しんでいる。

 瀬川で障害者の居場所事業をしていた別のNPO法人の解散をきっかけに、代替となる「ふらっと」の立ち上げに向け、昨年5月から利用者の引き継ぎや環境整備を始めた。「はばたき」が障害者の就労の場として運営する「コミュニティカフェおおぞら」の建物を、カフェの定休日に「ふらっと」として活用している。

 「ふらっと」の利用は登録制。知的や身体、精神といった分類に関わらず利用できる。現在の登録者は約10人で、現在は1日平均約7人が利用する。利用者はコーヒーを飲んで談笑したり、昼食を作ったり、手芸、写経、マージャン、将棋をしたりと、思い思いに過ごしている。決まったプログラムや、全員で同じことをするという決まりはなく、昼寝するのも自由だ。

 利用者の篠原克彦(しのはらかつひこ)さん(61)は「障害者が集まる場所がないので、こういう施設はありがたい。人と接するのは気分転換にもなるし、毎日開いてほしいくらい」と笑顔を見せる。

 登録者の約9割が精神障害者といい、センター長を務める広瀬理事長(66)は「見た目には分からない障害者の人は特に居場所、休憩する場所が必要。ふらっとは活動する場と言うより休む場所。必要とするたくさんの人に利用してもらいたい」と話している。

 開設日時は火、金、土曜の午前9時半~午後4時(年末年始、祝日を除く)。利用するには市社会福祉課に障害者手帳や診断書等を提示し、利用の決定通知をもらう。所得により月額約5千円の利用負担がある。(問)同法人事務所0288.21.3365。

© 株式会社下野新聞社