トマト5作型、季節ごとの味わい 宇都宮市内の作付面積、県内1位

JAうつのみやのトマト「プレミアム7」

 【宇都宮】市産のトマトは昭和20年代から栽培が本格化し、市町村合併などを経て作付面積が広がったとされる。2020年農林業センサスによると、市内の作付面積は42ヘクタールに上り、県内1位だ。

 JAうつのみやの管内は宇都宮市のほか、上三川町、下野市の一部も含み、トマト専門部には106世帯が参加する。20年度のJA取扱量は3647トン、取扱額は9億7700万円。JAうつのみやの農産物の中でも生産量は最多を誇っている。

 最大のポイントは、年間を通じて収穫できること。作型は「春」「越冬」「半促」「夏秋」「抑制」の五つに分かれる。生産農家によって作型が異なるため、出荷時期もずれるという。

 季節に応じた味わいにも特徴がある。冬から春にかけては甘みが強く、夏から秋はみずみずしく爽やかになるとか。品種は主に「桃太郎」といった大玉トマトが栽培されているが、少し小さめの中玉トマトやミニトマトも楽しめる。

 トマト専門部はより高品質な生産に向けても努力を重ねる。出荷規格を確かめる目ぞろえ会、現地での栽培指導を定期的に実施するほか、生産履歴の提出で安全安心の取り組みを徹底している。

 豊富な生産量を背景に、宇都宮市もブランド農産物に選定し販売促進に力を入れる。JA管内で生産され、特に果形が良く選果場で糖度7度以上と判定されたトマトを「プレミアム7」と認定。小売店でもめったにお目にかかれない、貴重な「選ばれたトマト」だ。

 市農林生産流通課の鈴木加代(すずきかよ)係長は「鮮度が良く、いつでも食べられるのが宇都宮のトマト。手に入れやすい地場の物を味わい、農家を応援してほしい」と地産地消を呼びかけている。

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