「山の図書室」人気じわり 遠野、風景や川のせせらぎ心地よく

牛舎を改装した開放的な「やませみ文庫」を運営する夏谷隆治さん(右)、恵子さん夫妻

 遠野市附馬牛町のフリー編集者夏谷隆治さん(73)とフリーライター恵子さん(62)夫妻が自宅近くで運営する図書室「やませみ文庫」が静かな人気を呼んでいる。空き牛舎を5年かけて改修し、春から秋の金、土、日曜限定で開く。山間部にあり電気を引いていないが、自然風景や川のせせらぎが心地よく足しげく通うファンもいる。

 市中心部から車で30分ほどの早池峰山麓の附馬牛町大出地区。来訪者は穏やかな風が吹き抜ける約36平方メートルの同文庫で、猿ケ石川のせせらぎを聞きながらゆったりとページをめくる。軒下にも木製のベンチと椅子を用意する。

 寄付などで集めた人文社会、哲学、文学、自然科学、生活関連などの約800冊が並び、自由に読むことができる。

 10月上旬まで。金曜は正午~午後4時、土曜は午前10時~午後4時、日曜は午前10時~午後3時。入室無料。貸し出し無料で、古本も販売する。やませみ文庫などを紹介するオリジナル文庫「本を読む小屋」は500円で販売中。問い合わせは隆治さん(080.2824.9172)へ。

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