ユネスコの理念実践「ユネスコスクール」 京都・舞鶴の日星高が加盟

ユネスコスクール加盟をPRする看板と日星高の生徒たち(舞鶴市上安久)

 国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の理念を実践する「ユネスコスクール」に、京都府舞鶴市上安久の日星高が府北部の学校として初めて加盟した。ウズベキスタンとの交流やウクライナ支援などの国際的活動がユネスコ本部に認定された。同高は「5年がかりの実現」と加盟を喜び、活動継続への決意を新たにしている。

 ユネスコスクールは1953年に発足した国際的なネットワークで、現在は世界182カ国で1万2千校以上が加盟し、国内では1115校、うち府内は16校に上る。

 日星高は地元・舞鶴市がシベリア抑留からの帰還の地であることから、旧ソ連のウズベキスタンとの国際交流に力を入れてきた。昨年は、現地の日本語学校の学生に生徒がオンラインで数学を教えた。参加した2年の吉野菜由さん(17)は「分かりやすく教えるのが難しかったけれど、交流ができた。平和へ少しでも相互理解を進めていきたい」と話す。

 同高では、抑留の史実を伝える舞鶴引揚記念館で「学生語り部」として活躍する生徒もいるほか、ロシアのウクライナ侵攻に伴う難民支援のための募金活動も実施した。太平洋戦争の地上戦で甚大な被害が出た沖縄県への学習旅行(修学旅行)も続けている。

 さまざまな活動実績を踏まえ、日星高は2017年にユネスコスクール加盟を申請し、ユネスコ本部での審査を経て22年12月に承認の通知を文部科学省から受けた。

 今年2月には加盟をPRする看板を校門前の看板に設置。「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」とユネスコ憲章前文の一部が記されている。

 出野健資校長は「生徒は平和の担い手として自分に何ができるか学んでいる。加盟は生徒が持続可能な地域社会の担い手として活躍する追い風になる」と喜ぶ。

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