名物「大仏焼」残したい 富山・高岡で約20年販売の藤本さん、8月末まで後継者募集

「大仏焼」販売の後継者を募っている藤本さん

 高岡の魅力を伝える名物菓子を残したい-。イベントなどで高岡大仏をかたどった焼き菓子「大仏焼」などを20年近く販売してきた藤本慶藏さん(82)が、後継者を募っている。高齢のため引退を決めたものの、「思いを引き継いでくれる方を見つけたい」と話している。

 「大仏焼」は鋳物メーカー・北辰工業所(富山県高岡市戸出栄町)の定塚康宏社長(71)が取締役だった約25年前、高岡の地域おこしにつなげようと考案した。銅鋳物の焼き型を使い、坂下町商店街がシンボルマークにしている高岡大仏をデザイン。朝市などで販売し、名物菓子として人気を集めた。本業の鋳物業が忙しくなったことから、知人を通じて紹介された藤本さんに引き継いだ。

 現在は大仏焼のほか、同市のマスコットキャラクター「利長くん」をかたどった「利長くん焼」と、「家持くん」の「高岡万葉焼」の3種類を販売。アルミ鋳物製の型で生地を焼き上げ、中にあんこやカスタードクリームを入れる。春と秋の週末は高岡大仏の参道で店を開くほか、朝市やイベントに出店している。

 藤本さんは、店頭でオリジナルの歌を披露するユニークなサービスも行っている。楽しい思い出にしてもらおうと始め、好評という。引き継いでくれる人には「個性を出しながら自由に販売してほしい」と期待。大仏焼の“生みの親”である定塚さんも「いろんな人との会話が楽しめるのも魅力。楽しんでほしい」と語る。

 後継者は8月末まで募集している。問い合わせは藤本さん、電話090(2090)1078。

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