【DeNA】野球変えるデータ活用 小杉コーチ「データと感覚のバランス」重要 

京山の投球練習をタブレット端末で撮影する小杉2軍投手コーチ(右)=2022年2月

 データやテクノロジーが野球を根本から変えつつある-。プロ野球の担当をしていると聞く言葉だが、その実態に触れることができていたかと問われると自信はない。書く側も野球の進化に、せめて追いつこうとしなければならないのではないか。ITがもたらす変革に迫るため、横浜DeNAのファーム投手コーチで、データ活用に詳しい小杉陽太氏(37)に聞いた。

 小杉氏は2017年に現役引退後、ボールの回転数などを測定する機器「ラプソード」を購入。自身の体を実験台に検証を重ね、現役時代に投げられなかった変化球を習得したという。「そういうことがすごく面白かった」と、投球におけるテクノロジーの活用にのめり込んでいった。

 近年はプロ野球でデータ分析が取り入れられているが、米大リーグに比べると「10年もしくは15年ぐらい遅いサイクルで回っているのかなと感じている」とみている。

 独学で深めた知見を買われ、指導者として古巣に復帰し今季2年目。昨年の指導は「例えば『こうすればこうなるから』って、選手にロジックを投げていただけだった」と反省を交えて振り返る。その上で「プロ野球選手は感覚に優れている。選手によって合う合わないもあるので、今はデータとのバランスを取ることに気をつけている」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社