2024年から始まる新NISAまで投資は待つべき?廃止されるジュニアNISAは?

新聞やニュースなどでも、2024年からNISAが新しくなるという話題をよく見かけるようになりました。それと同時に「変わるのなら、新しいNISAで始めた方がお得ですよね?」というご質問をよくいただくようになりました。

なんて……嘆かわしい!

しっかり理解している方とそうではない方とでは、今年一年の行動とストックされていく財産が全く変わってきます。正しい知識を身につけて、自分の資産をしっかりと増やしていけるように、お笑い芸人で本物の税理士である税理士りーなと一緒に行動改革していきましょう。


新NISAどう変わる?

令和5年度の税制改正で、2024年1月からのNISA制度が新しくなることが決まっています。これは、預貯金ばかりして全く投資を始めない日本の皆さんに、たくさん投資をしてもらい、投資によって国内の財産を増やしていこうというのが目的です。

投資による運用利回りはさまざまですが、銀行預金の利率は0.002%ほど。そんな銀行預金に、日本人は自分の財産のうち半分以上を預けているといいます。ほとんど増えないことも気にせずに「減らなくて安心♪」と喜んでいるなんて、なんて……嘆かわしい!

みんながもっと投資をしてくれればいいのにという願いを込めての大改正、その波にしっかり乗れるように、正しく制度を理解しておきましょう。

まずNISAとは、投資で儲けた所得に必ずかかる2割ちょっとの税金をゼロにしてくれる、というものです。「税金をマケてあげるから、皆さん投資をしてくださいね〜」とスタートした制度ですが、まだ1割ちょっとの人しかNISAを活用していません。

これまでのNISAは「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があって、どちらか片方しか使うことができませんでした。また、どちらも限度額があるだけでなく、非課税で運用できる期間にも限りがありました。

例えば「今年一般NISAで30万円分の株を買います」と言って買うと、つみたてNISAは利用できず、一般NISA枠内だけで投資をすることになります。一般NISAなら年間合計120万円以内なら年に何度でもいくらずつでもOKです。買った30万円分の株で儲けた金額(運用益)が5年の間「非課税」つまり税金がかからないということです。

今までのNISAはこの非課税期間を過ぎると、そこから先の運用益には税金が課されるというルールになっていましたが、この点について大改正がはいります。

・「一般NISA」「つみたてNISA」の名称を「成長投資枠」「つみたて投資枠」に変更
・「成長投資枠」は年240万円、「つみたて投資枠」は年120万円まで投資可能
・どちらか一方でなく両方併用OK
・5年または20年とされていた非課税での保有期間が「無期限」に
・「非課税保有限度額」を設定し、非課税で保有できる全体量が1,800万円、そのうち「成長投資枠」は1,200万円

これまでのNISA制度よりも、「たくさん投資してください!」という気持ちが伝わってくる内容ですね。

「2024年からメリットが大きい制度になるなら、今年は見送って来年から始めようかな」ですって? なんて……嘆かわしい!

投資には、「時間を味方につける」という考え方があり、価格変動のリスクを減らすほか、投資で得た利益を運用することで、さらに資産が増えていくという効果もあります。1年でも、1日でも早く始めたほうが、時間の恩恵をより受けられるのです。先送りにせず、ぜひすぐに始めてみてください。

ジュニアNISAはラストチャンス!

ジュニアNISAとは「未成年者少額投資非課税制度」、親や祖父母が口座開設して子や孫のNISA口座を作ってあげることができます。年間80万円までの投資が可能で、運用で得られた利益には税金がかかりません。

1年で110万円までの贈与は税金がかかりませんので、贈与税対策としてこの80万円を使われるケースも多いですね。その子が成人した時にNISA口座として利用開始できますので、子どもなどへの贈与に利用する方だけでなく、子どもに対して投資リテラシーを向上させる目的に活用するという方も多いです。

ところがこのジュニアNISA制度は、2024年以降消えてしまいます。つまり、2023年はジュニアNISA口座の開設とその枠内での投資がラストイヤーということになります。
2024年以降、ジュニアNISAでは、新規購入ができません。なお、2024年以降、当初の非課税期間(5年間)の満了を迎えても、18歳になるまで別の非課税投資枠「継続管理勘定」に移して引き続き保有できます。18歳になるまでの運用益は非課税です。

まだ始めてらっしゃらない方も、ラストイヤーにジュニアNISAを活用して、家族全体の非課税枠を増やし、お得に投資をしてみてください!


今回は、2024年からのNISA改正に向け、現行のNISAと今後の変更点を整理してきました。

正しい知識がある人は、制度を活用して資産を増やすアクションを起こすことができます。これを機に、新しいNISAの制度の情報も整理して、来年以降に自身ができる行動について見直しましょう。

知識があるだけでお金が増えれば、「なんて……喜ばしい!」ですね。

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