全国高校選抜大会の空手女子組手個人53キロ級で華頂女子高(京都市東山区)の上出亜矢那選手が、全5試合で一度も相手にポイントを許さない完全優勝を達成した。個人では初めてとなった全国の舞台で、いきなり頂点に立った。決勝では残り14秒から中段蹴りや上段突きで4ポイントを奪って一気に勝負を決めた。
持ち味は相手との間合いの取り方。出場する53キロ級では平均的な体格ながらも、相手からは届かないが、自分からは届く絶妙な距離を保つ。「スピードを鍛えてきた」と自信を示す。
これまでは勝利への強い気持ちから、タイミング良く技を繰り出せず、個人では全国大会出場を逃していた。主将として臨んだ今大会は「冷静だった。先取点を取って波に乗りたかった」と、狙い通りの戦いに持ち込めた。
小学生の頃から華頂女子中高の稽古に参加していた。現在は練習に充てる時間を確保するため、神戸市の実家を離れて京都市内で母と2人暮らしをしている。部活以外に荒賀道場でも技を磨いている。荒賀知子監督は「もともと素材は良かった。最近は精神面でも成長した」とたたえる。
次の目標は今夏の全国高校総体で個人、団体での優勝だ。「まずは予選から気を引き締めたい。将来は世界で活躍できる選手になりたい」とほほえんだ。