看板をアートに 街に彩りを 就労継続支援事業所とコラボ 松浦の「イニシャル不動産」

「町がアートで彩られて、見た人が元気になってくれれば」と期待する山口さん(左下)=松浦市志佐町

 長崎県松浦市志佐町の不動産業「イニシャル不動産」(山口将仁代表)は、同社が取り扱う売買物件や月極駐車場などに設置する看板を一新した。佐世保市の障害者就労支援事業所と協力し、障害者らのアート作品を看板に描き、松浦市内に発信していく。
 「文字だけが並ぶ看板のデザインをどうにかできないか」-。そんな悩みを払拭させたのが、佐世保市湊町の就労継続支援B型事業所「MINATOMACHI FACTORY(ミナトマチファクトリー)」との出合い。同事業所は、人それぞれの感性を生かした作品づくりを目指し、所属アーティストの一人のデザインが3年前、コーヒーチェーン「コメダ珈琲店」で販売する豆菓子のパッケージに採用された。
 山口代表が昨年夏、同事業所を運営するフォーオールプロダクトの石丸徹郎社長と知り合い、「看板で町に彩りを」と意気投合。同社所属のアーティストが描いた四季折々の風景画など約20種類のデザインの使用許可契約を結んだ。
 洗練されたデザインの看板は現在、イニシャル不動産の事務所近くの月極駐車場など数カ所に設置。今後、松浦市以外にも“作品”を増やしたいという。
 石丸社長は「絵が、町にあり続ける看板になるのはなかなかない。地域の人に見てもらって、ミナトマチファクトリーを『すてきな絵を描く人がいる場所』と思ってもらえれば」と期待を寄せている。

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