コロナ5類移行 長崎県内、マスク着用多く 「リベンジ消費」に期待も

ジョッキを手に乾杯する関係者=長崎市、みらい長崎ココウォーク屋上ビアガーデン

 新型コロナウイルス感染症の「5類」移行で本格的な「ウィズコロナ」に踏み出した8日、長崎市内の商業施設や公共交通機関ではマスクを着用する姿が多く、「様子見」の状況がうかがえた。一方、飲食店などからはコロナ禍からの「リベンジ消費」に期待する声が上がった。基本的な感染対策は継続しながら、少しずつ日常を取り戻しつつある。
 「乾杯!」。同市の大型商業施設みらい長崎ココウォークでは、屋上ビアガーデンのオープンを翌日に控え関係者向け内覧会があった。参加した長崎大4年の黒岩千尋さん(21)は「やっと大学生らしい夏休みが過ごせそう」と話し、アルバイト先の仲間と笑顔でジョッキを傾けた。
 運営するニップンドーナツ九州(同市)の池田真人社長は「窮屈だったコロナ自粛からいよいよ脱出する日が来た」とあいさつ。同社が2018年から運営するビアガーデンは21年に営業を見送るなどコロナ禍の影響を大きく受けた。今年はオープン時期を「5類」移行に合わせ、昨年より約2カ月前倒し。「楽しい空間と時間を提供したい」と意気込む。
 ココウォークでは7日の営業終了後、フードコートに設置していた席を間引く案内表示を撤去。一方、飛沫(ひまつ)対策のアクリル板は当面継続する。施設を運営するみらい長崎(同市)は「お客さまの受け止め方はさまざま。全部終わりではなく、様子を見ながら対応していく」とする。
 実際に同施設や市内のスーパーでは多くの買い物客がマスクを着用していた。マスクを着けずに出てきた同市の男子大学生(24)は「堂々と外せるようになった点で5類移行は歓迎。政府が緩和を決めたということは『もう大丈夫だ』というメッセージと受け止めている」と話した。
 JR長崎駅前のバス停や電停に並ぶ市民の中でもマスクを外していたのは少数派。同市のサービス業、北村理重子さん(50)は「仕事のときは着けている。国主導で接客業も外してと言わなければすぐには変わらないだろう」。マスクを着けていた同市の生田彰子さん(75)は「(周りの目が気になり)外しにくい部分もある。なるべく顔が見えるようになるといいんだけど」と、ぼやきながら路面電車に乗り込んだ。

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