5類移行 学校や病院…“現場の変化”で見えた今後の懸念

新型コロナウイルスの5類移行で、学校や病院の環境にも変化がありました。その現場から聞こえてきた今後の懸念とは?

葛飾区にある都立葛飾野高校。こちらの学校では、出入り口に設置されていた体温を測定するためのサーモグラフィーが撤去され、毎日の生徒の体調に関する連絡も不要になりました。戻りつつある日常風景は、楽しみだったあの時間も。先月からは自分の机で前を向いて静かに食べる「黙食」も廃止し、昼食の時間に笑顔と会話が戻ってきました。

生徒:「この対面でやることによって絆が深まっていく感じがして、とても良い機会だなと」「距離が縮まる感じがする」「分かる分かる」

ただ、教室の消毒液の設置や部屋の換気などは引き続き行い、学校側は緩和による個人の「緩み」を生まない環境づくりを続けたいとしています。

都立葛飾野高校津田副校長:「コロナがなくなったわけではないので、ここで油断しないでしっかりと感染予防対策取れることはしっかりやりながら、健康に安全に安心して学校に通えるように。そして学びを止めないように、そういう学校を作っていくことが大切かなと思っています」

一方、医療の現場ではどんな変化が…コロナ専用病床を抱え患者の治療を行ってきた、あそか病院の白石医師に現状を聞きました。

あそか病院 白石医師:「コロナ専用病床におきましては、これまで通り13床は患者を受け入れる形で病床を用意している。ただし入院期間に関しては、これまで10日間だったところが7日間と短縮している」

白石医師は、感染が再拡大した際にはコロナ病床の拡大も視野に入れていると話しますが、そこにはこんな懸念も…。

白石医師:「病棟スタッフの数が減っているので、13床稼動させるだけでも精一杯の状況。再流行の際に病棟スタッフの数を再調整するのにかなりの混乱が予想される」

白石医師は今後こうした混乱を生まないためにも、高齢者と接する際は感染対策への意識を続ける必要があると話します。

白石医師:「高齢者と接するような若い世代の方は感染に留意して、高齢者に接触する際は感染していないことを確認してから対応してほしい」

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