物価高の今、注目を集める“格安サービス店”、その驚きの安さの秘密とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、物価高で注目の“格安サービス店”をキャスターの田中陽南が取材しました。

◆店舗内にあるものが全て半額!? その理由とは?

相次ぐ値上げで物価高が続くなか、大胆な割引サービスで話題となっているお店があります。そこで、なぜ割引を行うことができるのか、その謎に田中が迫ります。

まず田中が訪れたのは、埼玉県・加須市。去年2月にオープンした店舗内には、日用品から家電、おもちゃ、ベビー用品まで、さまざまな商品約5,000種類が所狭しと並んでいます。こちらのお店は、なんと全商品が表示価格からレジで半額になる、その名も「半額倉庫」。

なぜ半額にできるのか、その理由のひとつが「商品の仕入れ」にあります。

こちらではコロナ禍で需要が拡大する通販サイトの売れ残り商品や返品商品など、新品なのに行き場を失った"訳あり商品”を1度に約10トン、大量に仕入れることでコストを抑えています。

さらに、通常は従業員が行う商品の検品作業を、お客さん自身にお願いすることで人件費の削減にも成功しています。

訪れていたお客さんに店舗の印象を聞いてみると「すごく安い商品があって、宝探しみたいで楽しい」、「子どもがたくさんいるので助かる。安くて目移りして何を買えばいいか迷うくらい」と多くの喜びの声が聞かれました。

◆サステナブルも意識したIKEAの取り組み

続いては、デザイン性の高い家具や雑貨がお手頃な価格で買える北欧家具店「IKEA渋谷」。昨年リニューアルした2階フロア「サーキュラーマーケット」の商品が「安い!」と話題に。

例えば、定価2万4,990円のソファーが44%割引の1万3,999円。1万9,990円のテーブルは35%割引の1万2,999円と、どの商品も大幅に割引されています。

割引が可能な理由は商品にあり、こちらのフロアで扱っているのは、展示品で使用していた品やお客さんから返品されたもの、生産が終了した商品など、つまり"訳あり商品”。

なお、割引額は商品の状態によって変わるものの、なかには最大70%割引される商品も。こうした商品はこれまでも販売されていましたが、昨今の物価高で安さを求める消費者が増えたことや、サステナブルへの関心が高まっていることから、より目立つフロアへと移転しました。ちなみに、このフロアのコンセプトは「サステナブルな消費の促進とサーキュラーエコノミーへの貢献」。

また、IKEAの大型店舗では、お客さんから家具を買い取り、修復したものを割引して販売するというサービスも行っているそうです。

これらの格安サービスを目にしたキャスターの堀潤は「なるほど~」と大きく頷き、「生活防衛のためにって思いもありますし、サステナブルという文脈もあるんですね」と感心する一方で、「"訳あり”という言い方はちょっと変えたいですね。ちょっとネガティブな感じがしてしまうので」とネーミングの視点からの意見が。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは「半額ってすごいですよね!」と驚きの声を上げます。長内さん自身、ネットでものを購入することが多いなか、「私は返品しないようにしているけれど、返品されたものがどうなるのかは頭によぎっていた」と以前から気にかけていたことに触れ、それがネットからリアルへと舞台を移し、消費者が手に取って商品を選べて、半額になるという仕組みに安堵。

たとえ展示品だったとしても、なかには安くなるのであれば購入したいという人がいるため、サステナブルなIKEAの取り組みについても称賛。「譲り合ったり、ギブ&テイクのような形でものを使っていく、これからそのような社会になっていかないといけないと思う」と今後の理想を語ります。

株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは「物価高のなか、賃上げを頑張って追い付かせる過渡期らしいので、その間こうしたサービスは注目されるんだろうなと思った」と格安サービス店が人気を博していることに納得していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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