大谷石文化、魅力一冊に 宇都宮市推進協1千部発行 成り立ちや産業分かりやすく

市大谷石文化推進協議会が発行した「大谷石文化への誘い」

 宇都宮市大谷石文化推進協議会はこのほど、一般向けの書籍「大谷石文化への誘いーその歴史と魅力を探るー」を発行した。大谷石を身近に感じ、大谷石文化の深さを理解してもらおうと企画。歴史や産業、景観などを、カラー写真をふんだんに使って分かりやすく紹介している。

 同協議会は、2018年に「大谷石文化」が日本遺産に選定されたのを契機に、同文化を広めようと市や宇都宮商工会議所、市文化財保護審議委員会など官民14団体が一体となって発足した。これまでに大谷石を学ぶ講座やシンポジウム、講演会を開くなど魅力の発信に努めている。

 本はA5判フルカラー128ページで、大谷石の成り立ち、大谷石と人との出会い、産業としての大谷石、現在に受け継がれる大谷石文化の4章構成。県内の地質、歴史、民俗の専門家、有識者が監修、執筆した。

 1500万年前の火山の噴火で大量の軽石が噴出し、海底で堆積したのが大谷石の基となったことに始まり、縄文人が大谷石と触れたことなど大谷石と信仰、江戸時代ごろに始まった大谷石の産業、国指定名勝「越路岩」や国指定重要文化財「旧篠原家住宅」などをカラー写真や地図、イラストを付けて解説している。大谷石の文化財マップと年表も付けた。

 執筆者で市文化課の今平利幸(こんぺいとしゆき)副参事(59)は「大谷石の魅力がこの一冊で分かります。ガイドブックにして大谷地区を散策するのに最適」と話した。

 千部発行。1100円。県内主要書店やインターネット通販大手のアマゾン、市文化課で販売している。

 (問)随想舎028.616.6605。

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