京都府宇治市の市役所茶園で9日、茶摘み式が開かれた。初夏の日差しの下、市内の障害者施設の利用者や市職員ら約100人が鮮やかな緑色の新芽を摘み取り、宇治茶の振興を願った。
市役所一帯は室町時代の優れた茶園「宇治七名園」の一つ、琵琶園があったとされる。市は2001年、正面玄関近くに茶樹約100本の茶園を整備し、09年から宇治茶のPRを目的に茶摘みを行っている。
式では松村淳子市長のあいさつの後、緑色の法被を着た参加者が茶園に入り、一葉ずつ丁寧に手摘みしていった。茶摘みを初めて体験した障害者就労支援施設「ゆめハウス」の利用者(26)は「最初は難しかったけど、慣れると楽しくなってきた」と笑顔で話した。
茶園の前では茶葉の天ぷらや水出し茶が無料で振る舞われ、市民が香りや味を楽しんだ。