「米どころ」なのに酒蔵が消えた街、地酒プロジェクト進行中 滋賀・米原

米原産の米と伊吹山の伏流水で醸造した「純米吟醸 花乃伊吹」

 伊吹山の伏流水と滋賀県米原市産の酒米で醸造した地酒「純米吟醸 花乃伊吹」が、米原市内の酒類販売店など14店舗で販売されている。市商工会を主体に郷土の風土や食文化を伝えることなどを目指す「地酒プロジェクト」の第3弾。今期は1800本を製造し、地域の活性化につなげる。

 「米どころ」「水どころ」とされる米原市内にはかつて16軒の造り酒屋があった。しかし、戦後の企業統合などで、現在、酒蔵は1軒もないという。

 地酒プロジェクトは2020年2月にスタート。花乃伊吹は米原市内で耕作した酒造好適米「吟吹雪」を、伊吹山の伏流水を仕込みに使う長浜市の酒造会社・佐藤酒造が醸造。「純米吟醸」は昨年末製造した「新酒しぼりたて」に火入れをして仕上げた。

 4月24日に販売を始めている。同社の佐藤硬史社長は「ミネラル豊富な伊吹の水と米原産吟吹雪の特徴を引き立て、芳醇(ほうじゅん)な米のうまみとキレの良い後味を楽しんでもらえる酒に仕上がっている」と話す。1本(720ミリリットル)1650円。

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