鹿沼市「チャットGPT」業務利用検討へ、市職員が体験 好意的な意見、用心の声も

担当者(左)の説明を受けながら利用体験する職員

 【鹿沼】市は8日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」など生成型AIの業務利用の検討に向け、庁内に体験用の専用端末を設置した。26日まで職員に空き時間を利用して体験利用してもらい、使い勝手などについて庁内の意見をアンケートで収集する。

 市デジタル政策課内に、チャットGPTのサイトへアクセスできる端末3台を設置。職員は昼休みや終業後の空き時間を使って自由に質問を入力し、使い心地を確かめている。

 市消防本部地域消防課の宇賀神一晃(うがじんかずあき)係長は「消防団の魅力を伝えるためには」と質問。画面には「(1)体験型イベントの開催、(2)SNSの活用…」などと回答が列挙された。宇賀神係長は「使い方に慣れれば企画を考える上で戦力になる」と感心していた。

 他にも「定型文がすらすらと入力される」など好意的な意見が上がる一方、「市内のラーメン屋を教えて」と入力した際に存在しない店を紹介されるなどして「(回答を)そのまま信用はできない」と用心する声もあった。

 市デジタル政策課の柿沼紀子(かきぬまのりこ)課長は「使用者には真偽を判断できる素養が必要。あくまで業務の補助ツールとして検討を重ねていきたい」と話した。

 市は職員アンケートや他自治体の先行事例などを参考に、今秋ごろをめどに導入の是非を判断する。

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