ロボ支援手術、「5類」対応学ぶ 山形で県民健康講座

最新のロボット支援手術や新型コロナウイルス感染症「5類」移行後の対応について学んだ県民健康講座=山形市・遊学館

 山形新聞、山形放送の8大事業の一つで、身近な疾患や最新の医療などを学ぶ「県民健康講座」の2023年第1回講座が11日、山形市の遊学館ホールで開かれた。山形大医学部、県医師会所属の医師が講師を務め、市民ら約100人が体に負担の少ないロボット支援手術、新型コロナウイルスの「5類」移行後の感染防止策などについて理解を深めた。

 開講式で寒河江浩二山形新聞社長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)は「新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、大きな転換の年となった。多くの県民へ健康づくりに役立つ情報を提供していきたい」とあいさつした。上野義之山形大医学部長、中目千之(なかのめちゆき)県医師会長、来賓の高倉正則山形市副市長が講座の内容を健康寿命の延伸に生かしてほしいと呼びかけた。板垣正義山形放送社長、若月裕子県看護協会長も出席した。

 講座では、同学部付属病院長の土谷順彦(のりひこ)氏が「ロボット支援手術の最新情報~ますます広がる低侵襲(ていしんしゅう)手術」、柴田内科循環器科クリニック(東根市)院長の柴田健彦氏が「新型コロナウイルス感染症『5類』移行後の新たな健康習慣と医療提供体制について」と題し、それぞれ講演した。

 土谷氏は手術支援ロボットを用いる利点として、正確性が高い手術の実現や出血量の少なさなどがあると説明した。国内で保険適用の対象が段階的に広がる中、山形大医学部付属病院でも昨年12月に実施件数が累計千件に達したとし「新しい治療というよりも、成熟した治療だと考えてもらっていい」と述べた。

 柴田氏は、新型コロナの5類移行後の医療提供体制などを解説した。感染防止に向け、引き続き必要な対応として手洗いやマスク着用、せきエチケットなどを挙げ、「これまでやってきたことをその場の状況に応じて実施してほしい」と話した。発熱などの体調不良時に備え、抗原検査キットや解熱鎮痛薬の常備を促した。

 会場では、県看護協会の看護師による健康相談や手洗い指導も行われた。

 県民健康講座は山形新聞、山形放送、山形大医学部、県医師会、県看護協会が主催している。5年目となる今年の講座は、第2回(7月6日)を長井市のタスパークホテル、第3回(10月12日)を酒田市の酒田勤労者福祉センターで開く。第1回講座の内容は18日付本紙で詳報する。

最新のロボット支援手術や新型コロナウイルス感染症「5類」移行後の対応について学んだ県民健康講座=山形市・遊学館

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