エルニーニョ現象、夏までに発生の可能性80%の予測 気象庁が監視速報、気温上昇の恐れも

エルニーニョ現象、夏までに発生の可能性80%の予測

 気象庁は5月12日、エルニーニョ監視速報を発表。夏までの間にエルニーニョ現象が発生する可能性が高いと予測しており、その確率は80%としている。

 太平洋赤道域の状況について、現時点ではエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態だが、エルニーニョ現象の発生に近づいたとの判断を示した。

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が 1 年程度続く現象。一方、ラニーニャ現象は水温が平年より低くなる現象。いずれも日本を含め世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられている。

 エルニーニョ現象が発生し夏にかけて続くと、日本付近では太平洋高気圧の張り出しが弱く、梅雨前線の北上が遅れる影響が出て、西日本を中心に梅雨の時期が遅れる可能性がある。

 世界気象機関(WMO)も発生の可能性が高いとみており、世界的な気温上昇につながる恐れがあると指摘している。2020年からラニーニャ現象が3年連続で続いてきた。ラニーニャが「異例の長さ」(WMO)にわたったにもかかわらず、世界の気温の高止まり傾向は続いており、15~22年の平均気温は観測開始以来、最も高くなった。

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