日光東照宮で17、18日に春季例大祭 4年ぶりに「流鏑馬」「百物揃千人武者行列」実施へ

采を作る青年部のメンバー

 世界遺産・日光東照宮で17、18の両日、4年ぶりに開かれる春季例大祭の関連行事「流鏑馬(やぶさめ)」と「百物揃(ひゃくものぞろい)千人武者行列」の準備が着々と進んでいる。新型コロナウイルスの影響で、ここ3年は神職による祭典神事のみ行われた。関係者は「お祭りには大きな力がある」「ようやくご奉仕できる」と再開に喜びの声を上げている。

 多くの見物客が訪れる東照宮の流鏑馬と千人行列は、秋の大祭を含め6季連続で実施が見送られた。東日本大震災や悪天候の影響などで中止になったことはあるが、長期間実施されなかったことはないという。

 今回は、コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行したことなどを踏まえ再開に踏み切った。例大祭に参列する東照宮産子会の真杉瑞夫(ますぎみつお)会長(76)は「実施できることはこの上ない喜び。お祭りには大きな力があるので、たくさんの笑顔とともに日光がさらに盛り上がれば」と声を弾ませる。

 11日には、出入り業者などで組織する崇敬団体「葵会」青年部のメンバーが東照宮で流鏑馬の準備作業を行った。流鏑馬で使用する的や、矢の命中を知らせる際に使う采(ざい)などを制作。同会は当日の運営スタッフなども担う。青年部の岸野直資(きしのなおすけ)部長(53)は「日頃の恩に対し、ようやくご奉仕できることはありがたい。本来の例大祭が行えない状況は日光らしくなかったので、実施できてうれしい」と話した。

 17日は参列者を招待して例大祭を執り行い、表参道で流鏑馬神事が奉納される。翌18日には、死去した徳川家康(とくがわいえやす)を静岡県から日光へ改葬した際の行列を再現した千人行列が行われる。神輿渡御祭(しんよとぎょさい)とも呼ばれ、武者など50種以上の役割に扮(ふん)した人々が表参道などを練り歩く。本来は市民ら約1200人が参加するが、今回は500人ほどに規模を縮小する。東照宮の担当者は「例大祭を目当てにお越しになる方もいる。コロナ感染に気を付けながら、久々の行事をぜひご覧頂きたい」と話した。

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