葛飾北斎に魅了され 京都・南丹の17歳木版画作家が作品集「多くの人に見てほしい」

初の作品集を手にする吉田さん(南丹市園部町)

 17歳の木版画作家として活躍の場を広げている京都府南丹市園部町の吉田悠太さんが、初の作品集を制作した。浮世絵や動物、京都のまち並みなどを題材にした近作約30点を掲載。多彩で細やかな表現力を味わえる内容となっている。吉田さんは「どんな作品を手がけているかを多くの人に見てほしい」と願う。作品の一部を展示する個展が13日から京都市右京区京北で始まる。

 小学5年生の時に葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏(なみうら)」に魅了されて以来、独力で技を追究。中学卒業後、2022年から「木版画 馗(みち)」の屋号で活動している。5月にテレビ番組「日曜日の初耳学」で特集されるなど、気鋭の若者作家として注目されている。

 作品集は、これまでの歩みを形に残そうと、知人の協力を得て5月に完成させた。陰影や表情の迫力に技が見て取れるライオンや、疫病よけの神「鍾馗(しょうき)」、地元の園部城、京都市東山区の八坂の塔などが目を引く。「線の細かさや、摺(す)り方など、少しは成長しているかなと思う」と話す。

 A4判、約20ページのカラーで1650円。インスタグラム(yuta_yoshida_michi)などからたどれる馗のオンラインショップで買える。

 13~15日、19~21日には、あうる京北で個展を開く。期間中は会場にいて彫る様子を実演する。午前10時~午後4時(21日は午後3時まで)。無料。

© 株式会社京都新聞社