剣道女子個人、大河原(小山)大接戦制しV 同門と3度の延長 栃木県高校総体

剣道女子個人決勝 小山の大河原(右)がメンを狙う=ユウケイ武道館

 県高校総体は13日、県総合運動公園相撲場ほかで相撲と剣道、陸上などを行った。剣道は男女の個人を行い、小山の2年生同士の決勝となった女子は大河原彩香(おおかわらあやか)が制し、団体との2冠を達成。男子は佐野日大の浜田大佑(はまだだいすけ)が優勝した。

 剣道女子個人決勝は本選で決着せず延長を繰り返すこと3度。試合時間が14分半を過ぎ、小山の2年大河原彩香(おおかわらあやか)はライバルが見せた一瞬の隙を見逃さなかった。

 常に冷静だった。決勝の相手は同門で互いに実力を認め合う同学年の山口美優(やまぐちみゆ)。やりづらさはあったが、相手の狙いが自身の打ち終わりにあると察し、延長は戦術を変えた。メンを打ち込み続けて間合いを測りながら、無理に追い込まず「気を抜く瞬間」を待った。そして捉えたのが首元への1本だった。

 懸命に腕を伸ばして決めたツキは「やっと最近慣れてきた技」。敗れた山口も「あるのは分かっていたがそこで来るとは」と苦笑い。たった一度しかなかった好機で渾身(こんしん)の一撃を打ち込んでみせた。

 昨年の栃木国体は小山高単独で臨んだ少年女子団体のメンバーに1年生で唯一選ばれ、初優勝に貢献。「二度とできない」と振り返った経験を踏まえ、強くなったのは「気持ち」だ。先に1本を奪われ、2本を取り返した今大会の準決勝はまさしく大河原が見せた成長だった。

 団体と個人の両方で全国制覇を目標に掲げ、その一歩目を力強く踏み出した今季。「今より良い状態で臨めるように準備するだけ」。心はすでに関東の強敵に照準を合わせている。

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