G7長崎保健相会合 龍踊と食でおもてなし 感染症研究、被爆の実相展示も

レセプションで各国代表ら(前列)に迫力ある演舞を披露する長崎女子高龍踊部=長崎市尾上町、出島メッセ長崎

 長崎県長崎市で13日に開幕した先進7カ国(G7)保健相会合。会場の出島メッセ長崎(尾上町)では加藤勝信厚生労働相主催の歓迎レセプションがあり、各国代表らに地元産の鮮魚や牛肉などを使った料理が振る舞われた。場内の展示ブースでは長崎大や県、同市などがパネル展を開き、感染症研究や被爆の実相を伝えた。
 レセプションには国内外の関係者約200人が参加。オープニングイベントで長崎女子高龍踊(じゃおどり)部が迫力のある演舞を披露すると、参加者らは笑顔で拍手をしたり、写真を撮ったりしていた。加藤厚労相は「朝早くからの会議で疲れたと思うが、龍踊を見て元気が出たのではないか」とあいさつ。鏡開きで開会を祝った。
 県と同市の展示ブースでは被爆の実相や県産品を紹介。自身が被爆2世であることを説明し、両親の被爆体験を各国代表らに語った鈴木史朗長崎市長は「皆さん真剣に聞いてくれ、ありがたかった」と話した。 長崎大は熱帯医学研究所や感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」、原爆後障害医療研究所を紹介するパネルを展示。

長崎大の展示ブースで説明を受ける各国代表ら=出島メッセ長崎

同医療研究所の髙村昇教授は、被爆から立ち直った長崎の経験を原発事故で被害を受けた福島の復興に生かしていることなどを説明。「壊滅的な原爆の被害から復興した長崎は、ロシアのウクライナ侵攻で海外からも注目されている。海外の方に取り組みを発信できた意義は大きい」と話した。
 加藤厚労相は同日朝の会合冒頭で「長崎市は長崎大を中心に世界の医療や公衆衛生分野の発展に貢献してきた街。感染症対策をはじめとして、国際保健の議論を行うのにふさわしい土地だ」とあいさつした。

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