障害乗り越えドローン操縦士に 滝沢、スマート農業の新戦力

ドローン操縦の講習を受ける三上虎於輔さん(右)。スマート農業の担い手として意欲を高める=4月、滝沢市鵜飼

 障害を乗り越え、スマート農業の貴重な戦力へ。滝沢市の福祉施設スタディア(鈴木学社長)は知的、精神障害のある入所者の資格取得支援に力を入れている。この春には重い知的障害がある若い男性がドローン操縦士の認定資格を取った。担い手不足に直面する農業分野に専門性の高い人材を送り込み、社会参画と所得向上にもつなげる、新たな「農福連携」の挑戦として注目される。

 青空が広がる同市鵜飼の田んぼで4月上旬、5日間のドローン講習が開かれた。参加したのは地元出身で知的障害のある三上虎於輔(こうすけ)さん(20)。練習を重ねて磨いた操縦技術で農薬や肥料に見立てた水を散布し、実技と筆記をクリアした。

 講師を務めたヤンマー東北営業所の石井克己・契約インストラクター(56)は東北6県を中心に指導を手がける。障害者の挑戦は「かなり珍しい」とし「練習するほど理解が増す。覚えるのが早い」と舌を巻いた。

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