困りごと、気軽に話して 「東北駆け込み寺」岩手県に初開設

家庭、仕事の悩みに無料で相談に応じる織笠英二代表理事

 家庭、仕事の悩みといった相談に無料で応じる一般社団法人「東北駆け込み寺」(仙台市)は、盛岡市黒石野に本県初となる岩手相談室を開設した。分野を問わずに耳を傾け、深刻なケースは支援機関への橋渡し役も担う。東日本大震災被災者の相談支援から受け付けの幅を拡大してきた。関係者が気軽な利用を促している。

 岩手相談室は数人のボランティアスタッフが原則、電話で相談に応じる。法人代表理事の織笠英二さん(68)は「人に話すだけですっきりすることもある」と寄り添っている。

 織笠さんは山田町出身で、東京の大手電機メーカーに勤務していた2011年に震災が発生。被災地に足を運び、困り事や愚痴に耳を傾けるボランティア活動を仲間と続けてきた。5年以上が経過して被災者からの相談は落ち着いたが、経済状況の悪化などを受けて相談支援の間口を広げる必要性を痛感。18年に任意団体「仙台駆け込み寺」を立ち上げ22年に法人化した。

 相談は原則、電話(019.625.5555)で受け付ける。時間は午前8時~午後6時(不定休)。ボランティアの相談員も募集している。経験、資格、性別、年齢は問わない。希望者は東北駆け込み寺のメール(tohoku.kakekomidera@gmail.com)へ。

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