不登校支援デジタル教室スタート メタバース活用し交流 宇都宮市

「U@りんくす」に表示されたライブ配信の様子

 【宇都宮】自宅で過ごす不登校の子どもたちへの支援に向けて市は今月、デジタル適応支援教室の活動をスタートした。インターネットのメタバース(仮想空間)を活用した交流や学習サポート、相談、オンライン体験活動などを行う。16日には宇都宮城址公園で、初めて屋外からライブ配信を行い、アバター(分身)で参加した生徒と市教育センターの担当教員が交流した。

 デジタル適応支援教室「U@りんくす」は、学校やフリースクール、適応支援教室などの支援を受けず、自宅で過ごしている不登校の児童生徒に向けて開設した。4月19日から説明会動画を配信し、これまでに小学生4人、中学生7人の計11人から申し込みがあった。

 メタバースに設けられた教室では、1日2回のホームルーム「りんくすタイム」や、さまざまなテーマのライブ配信を実施。参加する子どもたちは、既に配布されているノート型パソコンなどで自身のアバターを操作し、担当教員や他の子どもたちと交流することができる。

 この日行われたライブ配信「トレジャータイムIN城址公園」には中学生1人が参加。担当者が土塁や清明台、富士見櫓(やぐら)などを紹介しながら園内を散策した。生徒からは「いつもと違った雰囲気で楽しかった。今度は市役所を見てみたい」との感想が寄せられた。

 同センターでは今後、大学生や専門学校生など外部人材も活用し、メタバース上に掲載する学習や体験系などの動画も増やしていく。同センターの金子渉(かねこわたる)所長は「自分のペースで興味関心のあるものを選べるよう、多くのコンテンツを用意していきたい」としている。

 同センターでは、利用の申し込みをホームページで受け付けている。

 (問)同センター「U@りんくす」028.639.4380。

「U@りんくす」に表示されたライブ配信の様子
城址公園で行われた「U@りんくす」のライブ配信
城址公園で行われた「U@りんくす」ライブ配信
城址公園で行われた「U@りんくす」のライブ配信
城址公園で行われた「U@りんくす」のライブ配信

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