【中国】「デフレは起きていない」、中央銀行[経済]

中国人民銀行(中央銀行)は15日に発表した2023年第1四半期(1~3月)の金融政策執行報告で、「中国では現在、デフレは起きていない」との見方を示した。中国では今春以降、物価上昇率が低位にとどまっていることを背景にデフレを懸念する声が強まっていた。

中国の消費者物価指数(CPI)の上昇率は3月が0.7%、4月が0.1%。人民銀は「デフレは通常、物価上昇率がマイナスになり、通貨供給量が減るほか、経済が衰退することを指す」と説明。緩やかに物価が上昇し、引き続き経済成長を遂げている中国はデフレでないとの認識を示した。

今後もデフレに陥る可能性はないとの考え。懸念対象のCPIの上昇率については、7月まで低い水準が続くものの、その後は上昇に転じ、年末には近年の平均的な水準に戻ると見通した。

第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP)については、前年同期の数値の低さを背景に高い成長率を記録すると予測。消費の回復やインフラ投資の拡大などが続き、GDPを押し上げると指摘した。

■企業向け融資の金利が3%台に

人民銀は、国内金融機関の新規融資の加重平均金利が3月に4.34%になったと明らかにした。前年12月からは0.2ポイント上がったが、前年同月からは0.31ポイント下がった。

このうち企業向け融資の加重平均金利は3.95%。前年12月比0.02ポイント、前年同月比0.41ポイントそれぞれ下がり、歴史的な低水準になった。人民銀が金融緩和策を継続し、企業の資金繰り改善に注力していることが背景にある。

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