長崎港元船地区検討会議 年度内に整備構想 「ターミナル」「観光」2エリア案 長崎県が説明

長崎港に面した元船地区のあり方を考える検討会議の初会合=県庁

 長崎港に面した元船地区一帯のあり方について考える「長崎港元船地区整備構想検討会議」(議長・平田研副知事)の第1回会合が15日、長崎県庁であった。「長崎・元船OASIS」を整備コンセプトに、埠頭(ふとう)機能強化や臨海部のにぎわい創出に向け、年度内の整備構想策定、公表を目指す。
 長崎県港湾課によると、元船地区には長崎港ターミナルビルや大波止ビル、元船C棟上屋(ドラゴンプロムナード)などの施設があるが、建設から大波止ビルは54年、その他の施設は約30年経過し老朽化が進んでいる。バリアフリー対応や渋滞発生、にぎわい不足などの課題もあるという。
 会合で県は、一帯を「国内ターミナル機能」「観光・交流機能」の2エリアに分ける整備イメージ案について説明した。ターミナルは既存施設を活用し、大波止ビルや上屋は撤去を想定。物流機能は新たな上屋を整備し海上定期貨物のみに集約し、空いた土地はにぎわい創出に活用するなどの方向性を示した。
 年内にあと2回会合を開き、整備構想を検討。10月ごろにパブリックコメントも予定している。冒頭で平田副知事は「元船地区は離島航路や軍艦島クルーズなどの発着拠点となっており、文字通り長崎の海の玄関口。各方面からの意見をいただければ」と述べた。

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